コンクリートの配合で1番重要なのは水セメント比!?

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コンクリートの配合で1番重要なのは水セメント比だと私は考えています。

 

なぜなら

品質の良いコンクリートを作るためには水量を減らして乾燥収縮量を減らし、
適切なセメント量を増減することにより強度を管理する必要があるからです。

 

そこで

水量を減らしてしまうとコンクリートの打設不良を起こしやすくなり、
コンクリート自体の質は良いが、出来型としては悪いコンクリートと
いう評価をうけてしまう可能性が高いでし、逆にセメント量を増やすと
強度は非常に高いですが、セメント量に対して配合する水の量も増え、
乾燥収縮量などの大きなひび割れやすいコンクリートになる可能性もあります。

 

だから

セメント量を増やしながら、水の量をそこまで増やさずに製造・施工できるか?
という「バランス」を示したものが「水セメント比」だと私は考えています。

 

そして

一般的に標準仕様書で規定されている水セメント比の上限値は65%ですが、
コンクリートの品質にこだわりのある設計事務所やお客さんであれば、
水セメント比50%以下というふうに規定されている場合もあります。

 

すると

通常の水セメント比が65%以下であれば、AE減水剤で対応できていたのが、
水セメント比が50%以下になると高性能AE減水剤を使用しないと対応できない。

とか、そもそも高性能AE減水剤をしても水セメント比をクリアすることが出来ないので
本来では24Nの配合で良いけど、30Nの配合まで変えないといけない。という
対応も出てくる可能性も十分にあるのです。

 

それが

最終的にコストアップの原因になるため、コストダウンを図る現場側と設計事務所とで
攻防をおこなうことも、建物用途によっては必要だと考えています。

猫も杓子もすべての建物で、高品質なコンクリートは必要ないので、
建物規模や用途によって判断すればよいと考えていますが、
水セメント比が重要な指標であるという事は変わりはありませんからね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.390

(b) 鉄筋コンクリー卜の一般的な劣化は、コンクリート表面からの水・炭酸ガス、塩化物その他の浸入性物質によりもたらされるが、これらの劣化要因からコンクリートを健全に守るためには、一般的に水セメン卜比を小さくすればよい。
このため強度上必要な水セメント比とは別にコンクリートのワーカビリティー均一性・耐久性を確保するために水セメント比(W/C)の最大値を以下のように定めている。

① 平成22年版「標仕」では、普通ポルトランドセメン卜及び混合セメン卜のA種の水セメン卜比の最大値(上限値)は 65%、混合セメントのB種は 60%とされていたが、平成25年版「標仕」から、新たに早強ポルトランドセメン卜及び中庸熱ポルトランドセメントを使用する場合は 65%、低熱ポルトランドセメントを使用する場合は 60%とする規定が追加されている。

また、平成28年版「標仕」6.3.1 (a)(1)で追加された普通エコセメントについては、「JASS5」及び国立研究開発法人建築研究所の「建築研究資料 No.144」等を参考に、以下の事由から水セメント比の最大怖を55%とした。

a) 普通エコセメントを使用するコンクリートの中性化深さは、普通ポルトランドセメントを使用する同一水セメント比のコンクリートよりも大きくなる。

b) 普通ポルトランドセメントを使用するコンクリートと同程度の圧縮強度を得るためには、普通エコセメントを使用するコンクリートの水セメント比を3~5%程度小さくすることが必要である。

② 6.3.1 (2)(1)(a)でも記したように、平成12年 建設省告示 第1446号の一部改正に伴って平成28年版「標仕」からは、再生骨材Hを使用するコンクリー卜を主要構造部材へ適用できることとなった。ただし、再生骨材H以外の他の骨材を使用するコンクリートと同程度の圧縮強度を得るためには、再生骨材Hを使用するコンクリートの水セメント比を若干小さくする必要があることから、水セメント比の最大値が 60%とされた。

(c) 「標仕」では、単位水量の最大値を185kg/m3と規定するとともに、コンクリートの強度、気乾単位容積質量、ワーカビリティー、スランプ及び構造体コンクリートの仕上り状態が「標仕」2節に規定される品質を満足する範囲で可能な限り小さくするよう規定されている。

近年、良好な砂利、砂に代わり、砕石、砕砂が多用されるようになると、スランプを一定値以下に抑えても単位水量は大きくなる一方であり、コンクリートの乾燥収縮率の増大が懸念されている。その一方で、最近は高性能AE減水剤によりコンクリートのスランプを比較的容易に変えることができるようになり、単位水量が185kg/m3以下でもスランプ18cmにすることが容易となっている。このような理由から、コンクリートの品質を維保するためにスランプの規制以外に単位水量の制限が設けられている。

(d) 「標仕」では、単位セメント量の最小値を270kg/m3とし、かつ、(b)の水セメント比及び(c)の単位水量から算出した数値とすることが規定されている。

なお、単位セメント量は、6.3.4式によって求められる。

C=W/X x 100 … (6.3.4式)

C 単位セメント量(kg/m3)
W 単位水量(kg/m3)
X 水セメント比(%)

単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から可能な限り少なくすることが望ましい。しかし、単位セメント量が過小で、あるとコンクリートのワーカビリティーが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、豆板や巣、打継ぎ部における不具合の発生、水密性、耐久性の低下等を招きやすい。このためコンクリートの強度を確保するための条件とは別に単位セメント量の最小値が規定されている。

 

つまり

コンクリートの配合で1番重要なのは水セメント比であり、
水とセメントの量を比率でコントロールする事により、
コンクリート硬化中に発生する水和熱や乾燥収縮に対して
コントロールする事が出来る項目です。

 

ただ

水セメント比を下げる(数値を小さくする)という事は
セメント量を増加させて、水を少なくするという事で
コンクリートのワーカビリティーを悪くして施工性を下げる
という懸念があるが、現在は高性能AE減水剤などで
解消されている。

 

そこで

コンクリートのワーカビリティーって知っていますか?
ワーカビリティーとスランプの違いについてこちらで
記事にしているので合わせて読んで理解を深めましょう。

↓ ↓ ↓

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