前回で「施工計画書編」を終わりまして、実際の作業に対して
「施工要領書」のポイントをお伝えしていきます。
まずは製作要領書編から行きましょう。
(イ) 工場製作要領書 (工場製作範囲の品質管理要領を含む)
工場製作要領書というのは、簡単に言うと「鉄骨製作工場が製作する手順」
と言うことなので、あなたが1つ1つ作成するというよりは
鉄骨製作工場が作成してきた書類をあなたが確認して提出します。
そして
鉄骨製作に掛かるタイミングというのは工事の進捗に比べて早いので
「とりあえず製作要領書を作成して!」
と鉄骨製作工場が決まったらお願いするようなタイミングとなります。
こちらも、各項目ごとに確認していきましょうね。
1 総則及び工事概要
この欄については、先程の施工計画書と同様に基本的な事項が
間違いなく記載されていれば良いので特に問題になることは無いでしょう。
2 鉄骨製作業者の管理組織、工事担当 (施工管理技術者.溶接施工管理技術者・検査技術者の氏名、保有資絡等)
鉄骨製作工場には「グレード」と言って国土交通省の認定を受けています。
そして、設計図書にも工事に必要な品質を満たすために「Mグレード」など
グレードの記載がしてある事が多いです。
では、
一体鉄骨工場における「グレード」の違いというのは何なのでしょうか?
詳しい解説は以下の記事が参考になりますが、簡単に言うと「管理体制」です。
例えば
工場内にどんな設備があり、製作を管理する有資格者が何名いる。
という感じでグレードが決まっています。
だから
「よ~し、再来年に向けてMグレードからHグレードに上げるぞ!」
と鉄骨工場の社長が意気込んでいるのであれば、設備的にも人員的にも
増強していかないといけないのです。
ところで
かなり脱線してしまいましたが、鉄骨工場の管理体制として
各担当の指名を記載して責任の明確化をしておくことが大切ですね。
3 溶接技能者の氏名、保有資格等
先程の節で鉄骨製作工場のグレードの要件について技能者の数がある
という話をしましたが、グレードに関係なく「自分の現場」で
「きっちりとした資格を保有した人が責任を持って作業してくれるのか?」
という事は当然ながら気になる事項ですよね。もしかしから
「人の現場」はどうでも良いけど「自分の現場」はちゃんとして!
という自己中心的な意見もあるかも知れませんが現実的な人間の
心理としては間違った気持ちでは無いと私は感じますよ。
すると
溶接技能者の氏名、保有資格を確認することは「当たり前」ですからね。
今回はこのあたりでおしまいです。
また次回。
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