デッキプレートの溶接固定は歩行や風などでズレない為なのか?

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デッキプレートからの転落事故の何割かは、次の様な事例です。

「溶接などで固定のされていないデッキプレート上を歩行して
 デッキプレートがズレてしまい梁から外れて一緒に転落した」

 

確かに、デッキプレートが綺麗に並べられていると作業が完了した
と勘違いして、墨出などの自分の作業をしたくなりますよね。

その時に、いちいち溶接などで固定されているか?というのを
他の職種の作業員さんが皆確認するか?というと疑問です。

 

また

突風などで風が巻き込んで、下層階のスラブを下から上に吹き上げる
ような状況になってしまうと、デッキプレートが飛んでいく可能性もある
ので、溶接などで固定しておくことが必要です。

 

ちなみに

ここで固定方法に「など」を入れているのは鉄筋コンクリート造の
スラブをデッキプレートとする場合は型枠に釘止めをする場合も
あるので「など」にしています。

 

よって

デッキプレートは歩行時や突風に備えてズレないように固定する。
というのはマストの対策で、固定するまでは立入禁止にすべきです。

 

しかし

デッキプレートの溶接は、脱落防止の固定用だけではなくて
構造力学的にも必要な内容だということを知っておいて下さい。

 

具体的には

デッキプレートは梁に密着させることで、床スラブから伝達される
面内せん断力に対し十分耐えられる為に焼抜き栓溶接を行います。
(後述、建築工事監理指針内の図参照)

 

また

デッキプレートを合成スラブの効果を考慮した合成梁とする場合は、
スタッドをデッキプレートを貫通して溶接することが特記されている
場合は焼抜き栓溶接に替えることができます。

 

ですが

スタッド溶接時のデッキプレートの落下に備えて、仮止めをして
墜落事故の起こらないようにしておく必要がありますよね。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)」の該当部分を確認して下さい。

P.607

7.7.8 デ ッキプレートの溶接

(1) デッキプレートを鉄骨部材に溶接する場合は、特記に基づいてデッキプレートの使用目的に応じた溶接方法を採らなければならない。

デッキプレートを用いた床構法には、次の 3種類がある。

(ア) デッキプレートとコンクリートとのデッキ合成スラブ
(イ) デッキプレートと鉄筋コンクリートとのデッキ複合スラブ
(ウ) デッキプレートをそのまま構造体としたデッキ構造スラブ

いずれの場合もデッキプレートを鉄骨部材に溶接する場合は、デッキプレートを梁に密着させ、通常は床スラブから伝達される面内せん断力に対し十分耐えられるように焼抜き栓溶接を行っている (図17.7.2参照)。ただし、鉄骨梁の設計をデッキ合成スラブの効果を考慮した合成梁として行い、スタッドをデッキプレートを貫通して溶接することが特記されている場合は、焼抜き栓溶接は不要とされている。

この場合、軸径 16mm 以上のスタッドを使い、デッキプレートを梁に密着させて溶接する。

なお、この場合でもデッキプレートが敷込み後に強風や突風によって飛散しないように、敷込みと 同時に仮留めとしてアークスポット溶接若しくは隅肉溶接を行う必要がある。

図 7.7.2 焼抜き栓溶接の施工方法の例

 

つまり

デッキプレートと鉄骨梁との溶接は、スタッド溶接がデッキプレート
を貫通する場合以外は、床スラブから伝達される面内せん断力に
対し十分耐えられるように焼抜き栓溶接をする必要があります。

デッキプレートのような薄い鉄板でも、コンクリートとの合成スラブを
形成する鉄骨造では、立派な「構造体」なのです。

 

ちなみに

同じデッキスラブでも、水廻りなどで貫通孔の多い場所はフラットデッキ
を使用しますが、こちらはコンクリートスラブだけで構造を負担して
いるので、「型枠材」としての扱いになります。

型枠スラブといえば支保工、特に建物に張出スラブがある場合は
鉄骨梁で構成するのか?コンクリートスラブか?でデザインに影響する
ため設計者側は悩むことがあるでしょう。

 

かりに

張出スラブはコンクリートだけで薄いスラブにしたいとなった場合に
備えて、こちらの記事も合わせて確認しておきましょう。

↓ ↓ ↓

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