現場の揚重計画とは、重量物を運搬するクレーンや
仮設のエレベーターをどのように配置するかを計画することである。
この揚重計画って、実際の現場を運営する上で
最重要ポイントと言っても過言ではない。
なぜなら
クレーンやエレベーターは能力以上の仕事は出来ないし、
急に増やすこともなかなか難しいから。
例えば
作業員なら応援を読んで人数を増やすことは難しくない。
しかし、敷地に余裕があってラフタークレーンを増やすのは
難しくなくても、定置式のタワークレーンやエレベーターを
そうやすやすと途中から増やすことは出来ない。
そして
クレーンは、作業半径に見合った吊り能力しかない。
もしも、能力を超えて吊ってしまおうとしたらリミッターが
働いてしまうし、リミッターをカットしたら最悪転倒してしまう。
更に
1回の吊り上げ時間を劇的に短縮することも難しいので
荷揚げにかかる時間を、あらかじめ検討しておかないと
工程自体に多大な影響を与えてしまうのである。
具体的には、またいつか記事にしていこうと考えているけど
大まかなことだけは覚えておいて欲しい。
しかし
だからといって、ありったけの揚重設備を設置すれば良いか?
と言われれば「それは違う」と感じている。
なぜなら
揚重機はタダではないということ。
能力に見合ったギリギリを攻めていくことが
機械計画としては一番ベストであること言うこと。
例えば
25tラフタークレーンで作業できる事を、
「なんとなく一応何かあったらあ怖いから」
という理由で50tラフタークレーンを設置することは
機械計画として「悪い」と私は感じるよ。
25tで行けるのなら自信を持って25tを設置したほうが
費用も当然安く済むからね。
だから
「作業半径」と「吊り能力」と「費用」と「工程」のバランスが
揚重計画においては非常に大事であるということ。
更に
労働基準監督署が揚重計画において確認したいことの1つに、
クレーン設置届などで、現場の検査に行く必要が有るかどうか?
ということ。
タワークレーンなどは吊り上げ荷重が3t以上で労働基準監督署が、
現場に落成検査にやってくる。しかし、3t未満だと設置の報告書の提出だけ。
労働基準監督署が現場に来るというリスクを考えると、
どちらがメリットが有るかどうか?も合わせて考えると効果的だよ。
つまり
揚重計画は現場を運営する上で最重要ポイントであるという理由は、
クレーンにしてもエレベーターにしても、設置方法や設置台数によって、
現場の施工性が大きく変わってくるからである。
原価を預かるものとしては、出来るだけ費用を抑えたい。
現場を預かるものとしては、出来るだけ施工性を上げたい。
両者のすり合わせが非常に大事だね。
ちなみに、上司と意見が別れた時はこちらが参考になるかも。
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