「今回の鉄骨建て方、一番クレーンの厳しい部分どこ?」
「この部材で重量は2.8tです。クレーンがこの距離だと3.0tまで
吊り上げることができるので、計画として大丈夫です」
という上司との一見普通な会話で、事前に計画を詰めている感じが
すると、あなたは感じるかもしれませんが、1つ上司の立場で
質問をするとしたらどんな質問をしますか?
ちなみに
私は以下の内容を確認するでしょう。
「この2.8tという重量は何の重量?」
ここで
「えっ、鉄骨ファブに教えてもらった鉄骨の重量ですよ!
キチンと確認しているから大丈夫ですよ」
という答えが返ってきたら、この計画ちょっと危ないかもしれません。
というのは
鉄骨ファブ(製作工場)が伝えてきているのは、純粋に鉄骨自体の
重量で、仮設足場を一緒に取り付けて吊り上げる場合の重量は
加味されていない可能性があるからです。
親切な鉄骨ファブさんが、鉄骨自体の重量と仮設材こみの重量を
併記してくれているのであれば良いのですが、そうでない場合は、
実際に吊り上げる絵姿を思い浮かべて、その重量をすべて考慮
していないといけないからです。
仮に
先程の場合だと、仮設資材が0.2t以上であれば、計画している
クレーンでは安全に吊り上げることが出来ませんからね。
あと
地組した長い梁を吊り上げたりする場合に、吊り治具(ジグ)の方で
工夫している場合(鉄骨を中間にかませて吊り上げる力を均等にする等)
は、その吊り治具の重量も考慮して、建て方計画を行ってくださいね。
このあたりの重量の考え方を間違うと、高価なクレーンを手配したのに
実際吊り上げたら、赤ランプになって吊り上げられないという最悪の
事態になりかねないですからね。
だからといって、余裕を持ちすぎたクレーンの選定は、無駄なコストを
かけてしまうだけなので、慎重かつ大胆な選定が要求されるので、
あなたの経験値が少ないなら、いろんな人に確認しながら進めていきましょう。
最後に
「建築工事監理指針(令和7年版上巻)」
の該当部分を確認して下さい。
P.632
(2) 建方機械
建方機械の機種と台数は、最大荷重、作業半径、作業能率等により決定する。この際、建方機械及び建方機械を設置する構造体、架台、路盤、構台等が、自重、風圧力、地震力、クレーン運転時の衝撃力等に対して安全であることを確認する。
つまり
鉄骨の楊重計画における部材重量での間違えやすいポイントとは、
鉄骨部材の製品荷重だけで計画するのではなく、その部材に
取り付く仮設部材などの重量も全て含めて計画する必要がある
という事です。
吊り上げる部材を過少に設定していると、いざ現場で吊り込む時に、
リミッターが効いて建て方が出来ないという最悪の状況になりかね
ないので、揚重機の選定は慎重に計画してくださいね。
また、揚重機側でも注意しておくべきことがあるので、
こちらの記事も合わせて確認しておいて下さいね。
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