前回の記事でお伝えしたように、機械式継手においては様々な
種類があり、同様の形式でも施工方法や管理値が違うことも
あるので「工法ごとの適切な管理」を行う上で注意が必要です。
例えば
鉄筋の節が通常の異形棒鋼と異なる「ネジ節鉄筋」と呼ばれる特殊な
鉄筋同士をつなぎ合わせる「ネジ式」と呼ばれる機械式継手については
鉄鋼メーカーごとに機械式継手の種類が異なります。
また、金属製の「スリーブ」を使用して鉄筋同士を接続する「スリーブ式」
についても、当然ながらメーカーごとに形状もグラウトの注入量も異なります。
だから
一概にこのやり方を行えば機械式継手は管理できる方法は無いです。
すると
あなたを含めた私たちは一体何にすがって管理をすれば良いのか?
というと、これらの様々な機械式継手の種類ですが唯一「共通」
しているものがあるので、そこを基準に考えると良いです。
その共通しているものとは「日本建築センターによる評定」です。
実は
全ての機械式継手は日本建築センターで適合性に関する審査を受けた後に
「評定書」を受けた工法なのです。すると、審査・評定を受けるため
技術資料が必ず存在し、施工段階でどのように施工を行えば評定通りの
品質が得られるか?という「仕様書」も存在するはずです。
だから
今回、私があなたに一番伝えたいことは、業者さんからあがってくる
施工要領書だけをみて確認するよりは、
「○○工法の仕様書も一緒に提出してよ。一応確認したいから」
と言えば、
「おっ?こいつは確認をしっかりする奴か?ちょっと用心するか」
と業者さんの方から、勝手に身構えてくれる可能性がありますからね。
近頃は、「業者が作ったんだから業者の責任範囲でするんだろ」という
丸投げにも近いチェックをおこなう人も増えてきていると私は感じます。
それは、「何を確認すれば良いのか」が自分の中で分からないので
本来自分で行わないといけない業務を責任を一緒に誰かに投げるという
現場監督にあなたがならないようにという私の願いでもあります。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.335
「鉄筋の継手の構造方法を定める件」(平成12年 5月 31日建設省告示第1463号)で構造方法が示された後も、機械式継手は全て、(一財)日本建築センターにおいて告示に対する適合性の審査・評定を受けているので、評定を受けた施工要領書に基づいて施工しなければならない。
つまり
機械式継手の種類や施工方法については様々な方法があるので
一概に「このやり方」と統一して管理することは出来ません。
しかし
1つ1つの工法は必ず日本建築センターにおいて審査・評定を
受けているので、評定に基づき管理すれば良いのです。
具体的には
各工法の施工要領書を基に管理していけば良いと考えます。
ただし、施工要領書に書いてあるからと流し読みしてはいけません。
施工要領書を確認して「最低1つでも質問する」という
気持ちで読めば理解度もかなり変わってきますからね。
ちなみに
あなたは「施工計画書」と「施工要領書」の違いって
理解していますか?すぐに答えられないあなたはこちらへ。
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