コンクリート強度確認の大原則は非現実的だという現実とは?

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「コンクリートの強度確認はあなたは普段どうしていますか?」

と聞くと、90%以上の人は「コンクリート打設時に供試体を
採取して、圧縮強度を確認」すると答えるでしょう。

もしかしたら、あなたが改修工事などを主にされているのであれば、
「現在の強度が不明なのでコア抜き」を行うと答えるかも知れません。
こちらの答えが私の考えていた10%以下の人です。

 

なので

そのくらい、「供試体を採取して試験する」という方法は
一般的だと私も思っていたので、監理指針に書かれている事に
「えっ、そうなの?」とビックリしてしまいました。

 

それでは

今回は最初に答えを明かしてから進めて行きましょう。
建築基準法施行令に基づいた告示に答えがありました。

昭和56年6月15日建設省告示 第1102号(最終改正 平成28年3月17日)

コンクリートの強度を、コンクリートから切り取ったコア供試体について強度試験を行った場合に、材齢28日において設計基準強度の数値に7/10を乗じた数値以上、かつ、材齢91日において設計基準強度の数値以上であることを定めている。

 

簡単に言うと、「コア抜きして91日管理しなさい」という
実際の新築の建築現場では非現実的な要望なのです。

 

でも

「さっき、コア抜き予想してたじゃないか!」

という声も聞こえてくるかも知れませんが、こちらはあくまで
「改修工事で強度もなにも分からない状態」に対しての処置です。
特に耐震改修工事をする場合には、何十年も前のコンクリートの
強度について、たとえ試験結果があったとしても信用できません。
経年劣化がきっとあるので「実際にコア抜き」した方が「安心」です。

 

まさか

その考えと同じような考えではないと思いますが、実際に運用出来ない
と感じた偉い人が、現在95%以上のコンクリートを使用する新築現場が
採用しているような「コンクリートの荷卸し地点での供試体の採取」
を行って「28日での強度管理」として現実は運用しているのです。

 

だから

今、あなたがやってきた事、やろうとしている事は「本音」と「建前」
のうちの、実は「本音」部分なのですよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和7年版上巻)
の該当部分を確認して下さい。

 

P.366

(3) 構造体 コンクリートとは、構造体 とするために型枠内に打ち込まれて養生され、硬化して構造体あるいは部材を形成しているコンクリートのことである。構造体コンクリートの強度は、初期に十分な湿潤養正が施されれば、材齢 28日 以降も長期にわたって強度が増進 し、材齢 91日 においても強度増進は続き、停止することはない。 しかし、コンクリートエ事においては適切な材齢を定め、その材齢において設計基準強度を満足するように定める必要がある。建築基準法施行令第74条第1項第二号に基づき、昭和 56年 建設省告示第 1102号 (最終改正 令和元年国土交通省告示第203号「設計基準強度との関係において安全上必要なコンクリート強度の基準」)(以下、告示「コンクリート強度に関する基準」という)第 1第二号ではコンクリートの強度を、コンクリートから切り取ったコア供試体について強度試験を行った場合に、材齢28日において設計基準強度の数値に7/10を乗じた数値以上、かつ、材齢91日 において設計基準強度の数値以上であることを定めている。

一方、実際のコンクリートエ事において構造体コンクリートの強度をコア供試体で試験することは、構造体に損傷を与え、かつ、修復が必要となるため困難である。

このため、一般的には工事現場で構造体に打ち込まれるコンクリートから試料を採取し、構造体コンクリートと同じような強度発現をすると考えられる方法で養生した供試体の圧縮強度から構造体コンクリートの強度を推定し、品質管理を行っている。告示「コンクリート強度に関する基準」第1第一号では、現場水中養生を行った供試体について強度試験を行った場合に、材齢28日 において設計基準強度の数値以上であることを定めている。

「標仕」では告示「コンクリート強度に関する基準」の規定に基づき、原則として、現場水中養生による材齢28日における管理とし、これを満足しないと想定される場合に、現場封かん養生による材齢28日 を超え91日以内の管理を行うとしている。これは、施工現場における構造体コンクリー ト強度の判定材齢は一般的に28日 とされていることに配慮したものである。
さらに、平成28年 3月 の告示「コンクリー ト強度に関する基準」改正により第1第二号に標準養生 (水中又は飽和水蒸気圧中で行う場合に限る)が追加されたことから、平成28年版「標仕」においても標準養生による材齢28日 における判定が追加された。

なお、構造体コンクリート強度を推定するための適切な材齢及び判定基準は養生方法ごとに異なるため、標準養生を含め「標仕」6.9.5で規定されている。

 

つまり

コンクリート強度確認の大原則は、打込まれたコンクリートから
コア抜きを行い、28日で70%、91日で100%の強度を
確認するという方法であるが、現実的にコア抜きとか91日管理
とかは現実的ではないので、試料を荷卸し時に採取して28日管理
にて確認を行っているのが現実です。

このように、本音と建前が大きく異なっている事象は世の中に
山程あるはずです。でも、このような公に近い基準書において
本音と建前が述べられているのも珍しいとも感じています。

 

ところで

あなたは作業員さんと「本音」で話し合う事が出来ていますか?
もしも、不安であればこちらの記事を参考にして下さいね。

↓ ↓ ↓

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