あなたは定着板って使用したことあるかな?
ちなみに、こんなやつ。
実は、私もほとんど使用したことがない。
大抵は
梁の主筋の端部はL2=35d などの折り曲げ寸法で曲げられて
定着寸法を確保しているのが9割だろう。
では
定着板ってどんなメリットがあるんだろう?
まずは
柱と梁の接合部分であるパネルゾーンの納まりがスッキリする。
例えば
柱や梁の主筋の本数が比較的に過密である下層階における
パネルゾーンにおいては、梁の主筋の定着折り曲げ部分が
X、Y方向から存在すると
「これって、コンクリート回らないんじゃない?」
と言うような状況に、もしかするとあなたも遭遇したことあるかも知れない。
そんな時に、定着板だとスッキリしていて品質的にも良いよね。
次に
梁の鉄筋を地上のヤードで組み立てて、クレーンで吊り込む
「鉄筋先組工法」の場合にもメリットがある。
建物端部の梁筋についても、クレーンで柱の主筋の間に
通しながら、徐々に下ろしていくのだけど梁筋の定着部の
折り曲げている鉄筋が少しでもずれると柱筋に干渉する
可能性が非常に高くなるからね。
ところで
メリットばかりか?と言えばそうでもない。
もしも、メリットばかりであればもっと普及しているはず。
そこで
デメリットとしては、定着板の中では普通の鉄筋ではなく
ねじ節鉄筋という特殊な鉄筋に取り付けるタイプがある。
この特殊な鉄筋は当然ながら一般的な異形棒鋼よりは
コスト面で割高になるため費用を出来るだけ抑えて工事を
終わらせたい現場側としては嫌煙されがちだから。
更に
全く定着板が設計図書に反映されていない場合では、
変更するまでに多大な労力、費用、期間を要するのも事実。
だから
増大するコスト面と比較してみてメリットが有るかどうか?
が定着板を採用するかどうかの分岐点になるかな。
つまり
梁主筋端部に定着板を使用した場合のメリットとは、
定着の折り曲げ部が無いため非常にパネルゾーンがスッキリし、
先組み工法などでは梁鉄筋の吊り込み時に施工が容易である。
また
デメリットとしては、定着板を取り付けるのにねじ節鉄筋を使用する
場合があるので、鉄筋材料自体がコストアップになるということ。
しかし
梁筋が非常に密な場合や先組工法などの施工方法によっての
トータル的なメリット・デメリットの検討から採用を決めてほしい。
変更の協議をする場合は確認申請の計画変更などを伴うので
設計者とよく打ち合わせを行って進めてね。
ちなみに
ねじ節鉄筋についてはこちらを参考にしてね。
↓ ↓ ↓
■■ねじ節鉄筋
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