前回は鉄筋のスペーサーの仕様を事前に打合せることの
大切さについてスラブのスペーサーを例にとってお伝えした。
そこで
今回は、少し別の視点からお伝えしていこう。
事前にスペーサーの仕様を決めておくことで現場の終わりに
助かったという私の事例を紹介しよう。
では
一体、私の現場ではどうだったのか?
というと、工事監理者さんのこだわりで
「スペーサーのサイズごとに色を変えていた」
具体的には
同じドーナツ型のスペーサーでも50ならグレー、60なら茶色
70なら白などとサイズごとに色を変えて事前に周知したということ。
「そんなこと言われなくてもやっているよ」
というかも知れないね。だけど、今日はここまで読んで
「へ~っ」と感じた人に対してお伝えしているからね。
まず
スペーサーの色を変えることで何がメリットなのか?
というと、感の良いあなたならお気づきだろうけど
いちいちサイズを確認しなくても適切なスペーサーか判断できること。
これは、当たり前のようだけど実際に使用しているスペーサーが
適切なものか?を確認してみよう。といわれると非常に労力がかかる。
全て同じ色であれば、慣れるまでは「パッと見」では判断がつかない。
そばまで寄って文字を確認したり、時にはスケールを当てて確認する。
だけど
私が一番「助かった」と感じたのは進行形の現場確認ではない。
現場が完成した後の「完了検査」の時である。
具体的には
配筋写真を検査官が見ながら
「この配筋は型枠がない状態で撮影されているけど、かぶりの確認は?」
と言われたのだ。
ここで
型枠の施工後に、かぶりを確認している写真があれば
難なくその場をのりきれたのだろうが求める写真がなかったのだ。
そこで
私は苦し紛れに、鉄筋の施工計画書を持ち出して
「ここに、スペーサーの色分け一覧があります。
この現場はこの色分けでサイズを管理してます。
だから、○○色のスペーサーが写真に写っているので
かぶりは○○mmで管理してます。」
と言って難を逃れた事がある。
結局、施工が終わったものに対する検証ほど難しいものはないからね。
つまり
鉄筋のスペーサーは部位ごとに事前に仕様を打合せた方が良い理由は
- スラブなど実際に使用するスペーサーの仕様が規定と異なる場合があるため
- 形と色を事前に計画することで現場での管理の軽減や、後のトラブルの防止につながる可能性があること
そして
事前に計画することで、行き当たりばったり的なトラブルを防ぐ
と言うことに間違いなく一役かっているからね。
更に
事前の計画と言えば「施工計画書」だけど、
鉄筋工事に関してはこちらで解説しているので
合わせて読むと効果的だよ。
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