コンクリート受入時のスランプ試験でTMが密かにしている事とは?

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今回の話をすると

「TMって陰険で嫌らしい奴」

とあなたは感じるかも知れませんが、気にせずに進めて行きますよ。

 

まず

コンクリートの受入時のスランプ試験のおさらいをしましょう。

  1. スランプコーンを設置する平板を水平に据える
  2. スランプコーンを設置して3層に分けてコンクリートを入れる
  3. 1層ごとに一様に25回突き棒で突く。突く深さは前層まで達する深さまで
  4. 上面をならし、余分なコンクリートを拭き取る
  5. スランプコーンを上方へゆっくりと上げる
  6. 中央部の高さを0.5cm単位で計測する

という手順ですが、ここで

 

「私が密かに行っている事は一体何でしょうか?」

 

ちなみに

その手順を完了まで、コンクリートの試験を行う担当者が作業しているのを
観察しているのが私たち現場監督の役目なので、実際にTM自身が作業を
することはまずありません。別に何もしなくても写真撮影時に一緒に入れば
受入試験自体は完了してしまいます。

 

だから

別に写真撮影時に入る以外は自発的に行動することは無いのです。

 

実は

私が密かに行っている事は「突き棒で突く回数を数える」という事です。

キッカケは、自分自身の勉強の為でした。供試体を作るときに突く回数、
スランプ試験の時に突く回数を実際の試験時に「何回突くか?」を
覚えるために無意識に数えていたのが始まりでしたが、「意外にも?」
試験担当者さんは「ほぼ正確な回数」を突いていました。

 

そこで

「キチンと25回突いていましたね」

と伝えると、9割の人は

「えっ?そんな所までチェックしていたのですか?」

とビックリされますが、そこまでチェックされているという事が
逆に「抑止力」として働くことを感じてきてからは、「敢えて」
突き回数の事を話題にすることにしています。

 

すると

大抵の人は「25回」を頭の中で毎回数えている訳ではなく、
いつの間にか数えていなくても、感覚的に覚えてしまっている。
という事が分かってきました。

 

更に

スランプ試験と言えば「いかに規定値内の数値に納めるか?」
も試験担当者の腕の見せ所だと私は考えています。

 

具体的には

スランプコーンから脱型されたコンクリートの中央付近の「どこ」
を違和感ないように規定値内で測定するか?という事です。
その為には、コンクリートの「不要に」高い部分を壊さないように、
測定機器の方向を変えてセットしている風景も幾度となく見ています。

コンクリートの硬さを色々注文付けて出してもらっている立場としては、
「規定値から外れる」と苦労しか増えないので、内心助かっていますよ。

 

最後に

建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]
の該当部分を確認して下さい。

P.452

(ア) スランプ試験方法

(a) スランプの試験方法は、JIS A 1101 (コンクリートのスランプ試験方法)による。

---- JIS A 1101: 2014 ----

3. 試験器具

3.1 スランプコーン スランプコーンは 図1 のように上端内径 100mm,下端内径 200mm,高さ 300mm 及び厚さ 5mm 以上の金属製(1)とし,適切な位置に押さえと取っ手(2)を付ける。

注(1) セメントペーストに容易に侵されないもので。試験時に変形しないもの。
(2) 高さの約2/3の所。

 

図1 スランプコーン

3.2 突き棒 突き棒は 直径 16mm 長さ 500 ~ 600mm の鋼又は金属製丸棒で,その先端を半球状とする。

4. 試料 試料は,JIS A 1115 の規定によ って採取するか又は JIS A 1138 の規定によっ
て{午る。
5 試験 試験は次による。

a) スランプコーン(3)は,水平に設置した剛で水溶性があり平滑な平板(3),(4)上に置いて押さえ,試料はほぼ等しい量の 3層に分けて詰める。その各層は,突き棒でならした後,25回一様に突く。この割合で突いて材料の分離を生じるおそれのあるときは,分離を生じない程度に突き数を減らす。各層を突く際の突き棒の突き入れ深さは. その前層にほぼ達する程度とする。

注(3) スランプコーンの内面と平板の上面は,あらかじめ湿布などでふいておく。
(4) 平板の水平の確認は,水準器を用いて行うのが望ましい。

b) スランプコーンに詰めたコンクリートの上面をスランプコーンの上端に合わせてならした後.,直ちにスランプコーンを静かに鉛直に引き上げ(5),コンクリートの中央部において下がりを 0.5cm 単位で測定し,これをスランプとする。

なお,コンクリートがスランプコーンの中心軸に対して偏ったり,くずれたりして,形が不均衡になった場合は,別の試料によって再試験する。

注(5) スランプコーンを引き上げる時間は,高さ 30cmで2 ~ 3秒とする。

c) スランプコーンにコンクリートを詰め始めてからスランプコーンの引き上げ終了までの時間は,3分以内とする。

 

6. 試験の結果 スランプは,0.5cm 単位で表示する。

---- JIS A 1101: 2014 ----

(b) JIS では、コンクリートの中央部の下がりを測ることになっているが、実際にどこを測定したらよいか分からない場合がある。この場合は、一般的には 図6.9.1 に示す位置で測定するとよい。

 

図 6.9.1 スランプの測定位置 (ZKT-201 :2007より)

 

つまり

コンクリート受入時のスランプ試験でTMが密かにしている事とは?
突き棒でつく回数などを規定通りに行っているか?を数えている事です。
別に1回多かったり少なかったりしても言わないし、結果が大きく変わるという
事にはならないと考えているので良いのですが、

意外とみなさん正確に行っている印象があります。

 

ところで

このような「数値」については資格試験の問題にも出てくる可能性があります。
「仕事と勉強は別物」と考えて仕事をして欲しくないというのが私の意見です。
だから、こちらの記事も書いていますので合わせて読んでみて下さいね。

↓ ↓ ↓

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