前回は、鉄骨工事の工場製作要領書の全10項目のうち
1~3項目までをお伝えしました。
最初から読みたいあなたはこちらからどうぞ。
今回は続きからお伝えします。
4 製造設備の能力 (製作関連の機械設備、配置図等)
鉄骨工場の品質は最近は特に「設備の能力」に依存する事が多いと感じます。
例えば
全自動の溶接ロボットで組立を行なっている等、機械化や自動化が進んでいると
ヒューマンエラーによる間違いや品質のバラつきが少なくなって私自身は良い印象です。
もしかして
人によっては「人間が1つ1つ丁寧に仕上げた方が品質は高い」という
考えの人もいるかも知れません。確かに一品もので丹精込めて作るものは
最初から最後まで人の手で行った方が良いかもしれませんが私達が普段扱う
鉄骨材料については、建設業における人手不足の現状を踏まえると出来るだけ
自動化して少ない人手で製作できる方がよっぽどマシだと考えています。
つまり
脱線してしまいましたが、鉄骨工場において「どんな設備がどの位あるのか?」
という事項については、あなたが気にしておくべき1つの事項ではないでしょうか?
設備などの生産能力によって「どの工区を請け負わせるか」もしくは
「鉄骨工事を完成させるには何社の工場が必要か?」
などを再検討する必要があるかも知れませんからね。
あなたの現場の工程を守るためには意外と必要なチェックポイントですよ。
5 工程表(工作図 材料調達・製作・製品検査・搬出等の時期)
先程の節では、工場の設備が生産工程に影響するという話をしましたが、
工場の設備だけでなく様々な要因が実は生産工程に影響します。
例えば
- 原材料の納期
- 他に加工を依頼する工場がある場合は、その工場の稼働状況、連携のタイミング
- 自社の生産能力
- 加工した材料のストックヤードと建て方工程
- 他の現場の生産状況
などがあげられますが、現場と製作工場の力だけでは何ともならないのが
「原材料の納期」です。柱の鋼管として使用されるBCP材やBCR材、
鉄骨のボルトなども時期によって納期が平気で数ヶ月単位で動くので、
「原材料の納期」は非常に重要な要素として製作工場とはこまめに
打合せを行っておくことをオススメします。
鉄骨の納期が1年かかってしまい、通常の工程だと現場が終わるような
タイミングでしか納品できないという事態になればお客さんを含めて
話し合いの余地が普通にあると感じますが、微妙に1ヶ月くらいの遅れなら
「何とか現場でできるでしょ!」
と押し込まれてしまう可能性がありますからね。
だから
製作工程を早めに検討して、お客さんも含めて了解をとっておく方が
後でトラブルにならないので私は強くオススメしておきますね。
今回はこのあたりでおしまいです。
また次回。
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