前回の記事では、高力ボルトのボルト締め後に確認するポイントの
1つとして、マーキングについてお伝えしました。
今回は、そのほかのポイントをお伝えするのですが、
トルシア形高力ボルトの場合は、ピンテールが破断していれば、
所定の軸力が入っているため確認は簡単です。
なので
今回は、ナット回転法を中心にお伝えしていきます。
そのそも、トルシア形高力ボルトしか使用してなくて、
ナット回転法なんて知らないという人もいると思います。
トルシア形高力ボルトで締めることが出来れば、その方が楽なので
何も鉄骨に特殊処理をせずに、普通の鉄骨材を締めるだけなら、
ナット回転法とは無縁かもしれませんね。
そこで
ナット回転法とは、高力ボルトを1次締めを行って、マーキング、
本締めという段階ごとの手順は同じなのですが、
使う工具と管理方法が違います。
工具は、「トルクレンチ」という工具を使用します。
トルクレンチは、読んで字のごとくですが、加えているトルク値を
確認できるレンチです。
最近使っていないので何とも言えないのですが、設定したトルク値に
なったら「カチッ」と音がなって、必要なトルクが加えられていることを
示してくれた記憶があります。
(デジタルで値を示してくれる商品もありそうです)
とにかく、一次締め用のトルクレンチを使用して、所定の力で高力ボルトに
軸力をあたえて、マーキングしていきます。
つまり、それぞれのボルトの条件をそろえる。という事です。
そして
いよいよ本締めに入っていきます。本締め後の状態をみて良否を判断します。
ナット回転量の判定基準は、規定値-30°から規定値+30°まで(M12は、
規定値 0°から規定値+30°まで)の範囲であることです。
その中に納まっていて、マーキングを確認して共回りが生じていなければ
合格という流れです。
もしも、回転量が不足している場合は、追締めし、所定の回転量であること
を確認することで、要求される軸力が入っているというロジックです。
また
トルシア形高力ボルトの所で言い忘れていたことが1つあったので、
今回、ナット回転法でも共通なのでお伝えさせて頂くと、
締付け後の、ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であること。
という条件があり、ボルトの長さは長くても短くてもいけないという事です。
だから、同じような部材でも、鉄骨の厚みとスプライスプレートの厚みが違えば、
ボルトの長さも違ってくるので、ボルトは同じ径でも色々な長さが5mmピッチで
現場に納入されているのです。
こちらも、大切な知識なので合わせて覚えておいて下さいね。
最後に
「公共建築工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.99
7.4.8 締付け後の確認
(1) 締付け後に、次を確認した高力ボルトのセットを合格とする。
(ア) トルシア形高力ボルトの場合は、次による。
(a) ピンテールが破断していること。
(b) 一次締めの際につけたマークのずれにより、共回り又は軸回りが生じていないこと。
(c) ナット回転量は、各ボルト群のナットの平均回転角度-30°から平均回転角度+30°までの範囲であること。
(d) ボルトの余長は、ねじ1山から6山までの範囲であること。(イ) JIS形高力ボルトの場合は、次による。
(a) ナット回転法による場合は、次による。
① 一次締めの際につけたマークのずれにより、共回りが生じていないこと。
② ナット回転量は、規定値-30°から規定値+30°まで(M12は、規定値 0°から規定値+30°まで)の範囲であること。
なお、回転量が不足している場合は、追締めし、所定の回転量であること。
③ ボルトの余長は、(ア)(d)による。
(b) トルクコントロール法による場合は、次による。
① 一次締めの際につけたマークのずれにより、共回りが生じていないこと。
② ナット回転量に著しいばらつきが認められるボルト群は、トルクレンチを用いて全てのボルトのナットを追締めする。この結果、締付けトルクと締付け施工法の確認において設定した締付けトルクの基準値との差が±10%以内にあること。
なお、締付け不足が認められた場合は、追締めし、所定のトルクであること。
③ ボルトの余長は、(ア)(d)による。
(2) (1)の確認の結果、合格とならなかった場合は、高力ボルトのセットを新しいものに取り替える。
つまり
高力ボルトの締付完了後の確認ポイントとしては、
トルシア形高力ボルトの場合は「ピンテールの破断状況」
その他の高力ボルトでナット回転法の場合は「回転角の確認」
が必要で、共通で「ネジ山の確認」を行ってくださいね。
実は
この内容は意外と大切で、何が大切かというと、
鉄骨工事が完了して、仕上工事に最中に
「あれ、あそこにピンテール1つ残っていない?」
という事が発覚して、工事監理者さんに「全部再確認」
と言われてしまったら、現場は大騒ぎになってしまうので、
少し遠くからでも判断できると思うので、抜け漏れが無いように
確認しておくことが大切です。
1つ先を見越して手を打っておくのが現場監督の能力として
非常に大切ですから、「出来上がったものを見て判断する」
から早期に脱却できるようにしましょう。
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