一般的に使用されている鉄筋は
SD295A、SD345、SD390などと
強度によって区分分けがされている。
しかし
あなたは「鉄筋の強度の差って一体何の差?」
という疑問をいだいたことは無いだろうか?
なぜなら
鉄筋と言うだけあって基本的には同じ「鉄」なのだから。
という事は同じ鉄でも強度区分が変わる「何か」があるはず。
その「何か」を今回は探っていきたい。
そこで
答えとなる記述が「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」にある。
P.295
5.2.4 材料試験
「標仕」5.2.3 は,鉄筋の品質を試験により証明する場合について定めたものであるが,この規定によりJISに適合することを証明するためには,機械的性質だけでなく,化学成分等を含めてその適合性を確認しなければならない。このため,JIS規格品以外でこの品質を確認することは現実的でないことが多く,一般的には,JISに適合することを証明する資料のある製品を使用することになる。
表-2 化学成分 単位 %
種類の記号 C Si Mn P S C+Mn/6 SR235 - - - 0.050以下 0.050以下 - SR295 - - - 0.050以下 0.050以下 - SD295A - - - 0.050以下 0.050以下 - SD295B 0.27以下 0.55以下 1.50以下 0.040以下 0.040以下 - SD345 0.27以下 0.55以下 1.60以下 0.040以下 0.040以下 0.50以下 SD390 0.29以下 0.55以下 1.80以下 0.040以下 0.040以下 0.55以下 SD490 0.32以下 0.55以下 1.80以下 0.040以下 0.040以下 0.60以下
つまり
鉄筋の強度を決定づけるのは「鉄」以外の鉱物によるのだ。
鉄筋を構成する化学的成分の違いが強度の違いを生んでいる。
きっと
この記事に興味を持たれた5割以上の読者は
「答えが予想できていた」と私は感じるよ。
だけど、その答えが予想できていた9割の読者は、
「何の成分が多いと違うか」という具体的な話まで行かず
ただ何となく違うんだろうなという雰囲気になっていたと感じる。
だから
せっかく今回の記事をここまで読んでくれたのだから、
それぞれの成分を見比べて「強度と成分の関係」について
すこしの時間だけでも考えてみることで、次回から鉄筋に
対する見方が少し変化するかもしれないね。
つまり
鉄筋の強度の違いは材料のどこに差があるのかについては
「鉄筋の化学的成分」の差である。
更に
鉄筋がJIS製品であると証明されるためには、降伏点などの
「機械的性質」だけでなく、鉄筋を構成する元素による
「化学的成分」も合わせて試験を行う必要があるが、
実際には、製造工場で材料試験を行なうので現場で
特別することは無いので安心してね。
現場で行なうとしたらミルシートなどの結果が「合格」
になっていることを確認することだけど、偽装されていたら
見破る手段がないので諦めよう。
だから
JIS規格品以外では、材料試験をする意味があまりないのが
現実なので、こちらの製品などは認定を取ったメーカー試験の
値を信じてやるしか無いよね。
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