「型枠ボロボロじゃない!?
基礎だけどせめてもう少し良い型枠つかえないかな?」
と私は基礎・地中梁のコンクリート打設前の配筋検査の時に、
工事監理者さんに言われた事が何回かありました。
大抵そういう場合は、基礎や地中梁の高さにピッタリではない、
規格寸法として事前に用意されていた型枠が使用されていました。
「まあ、見た目はボロボロでも崩壊はしないし見えなくなりますから…」
と表向きは答えながらも、心の中では
「安い単価でやらせているから基礎の型枠の材料費かけずに、
少しは取り戻して貰わないとね」
と考えていたものです。
つまり
型枠大工さんにとって「何回転用出来るか?」は
型枠工事で「儲ける」ために(会社を存続させるために)
必要不可欠な検討事項なのです。
ちなみに
型枠の仕上げの程度には下記のA~C種の3種類あります。
- A種…打放し仕上の様にコンクリート表面がそのまま仕上として表れてくる場合
- B種…吹付下地やクロス下地など補修した上に直接仕上を行う場合
- C種…上記以外
そこで
それぞれの種別で施工単価は当然ながら違うので、
材料の質が違っても、それなりの材料代が出れば損しないよね。
とあなたは感じるかも知れませんよね。
確かに
コンクリート打ち放し仕上げの様に「コンクリートそのものが仕上げ」
という場合は、毎回「新品」の材料を使わないといけないのですが、
B種、C種であれば3回転用した材料でも、10回転用したものでも、
仕上りがそれなりの要求を満たせば成立するので転用回数を伸ばしたい
というのが型枠工事の会社の考えです。
だから
出来るだけ協力して上げれば良いとは感じていますが、
型枠が悪くてハツリや左官の補修が発生すると、
型枠工事の会社に立替が発生して損するので、
出来映えを見ながらあなたから
「そろそろ限界だから作り替えようよ!」
と声かけをすることがお互いの為だと私は考えていますよ。
最後に
「公共建築工事標準仕様書 建築工事編(令和7年版) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」の該当部分を確認して下さい。
P.57
表 6.2.4 打放し仕上げの種別 種別 表面の仕上り程度 せき板の程度 A種 目違い、不陸等の極めて少ない良好な面とする。 6.8.2(2)(ア)のせき板でほとんど損傷のないものとする。 B種 目違い、不陸等の少ない良好な面とし、グラインダー掛け等により平滑に調整されたものとする。 6.8.2(2)(イ)のせき板でほとんど損傷のないものとする。 C種 打放しのままで、目違い払いを行ったものとする。 6.8.2(2)(イ)のせき板で使用上差し支えない程度のものとする。
P.426
(1) 「標仕」では、せき板の材料は、特記によることとしている。特記のない場合は、次のように規定されている。
(ア) コンクリート打放し仕上げの場合は、「標仕」表6.2.4の コンクリー ト表面の仕上り程度に見合ったものとしており、打放し仕上げの種別がA種 (目違い、不陸等の極めて少ない良好な面)の場合は、JAS 0233(合板)に よる表面加工コンクリート型枠用合板を用いるようにしている。
(イ) コンクリート打放し仕上げ以外の場合は、JAS 0233(合 板)に よるコンクリート型枠用合板で板面の品質がB― C品又はその他の材料でコンクリートの所要の品質を確保できるものを用いるとしている。ここで、B ― C品 とは、表面の品質がB、 裏面の品質がC(品質のよい順にA、B、C、Dの 4ランクあり)であるものをいい、現在市販されているコンクリート用型枠合板の主流となっているものである。合板型枠以外の型枠としては、金属製型枠、樹脂系の型枠 (FRP・プラスチツク等)、 打込み型枠 (断熱型枠、薄肉プレキャス トコンクリー ト板、けい酸カルシウム板、スレート型枠等)、 ブロック型枠、ラス型枠等がある。また、近年環境に配慮した型枠として、再生材樹脂系の型枠が使用されている。これらの材料を用いる場合は、型枠としての性能及び仕上げに対する影響について調査し、設計者等と打ち合わせて採否を決める。
(2) 「標仕」においては、せき板に合板を用いる場合は、JAS 0233(合板)に よる表面加エコンクリート型枠用合板又は同規格によるコンクリート型枠用合板で板面の品質がB 一 C品を用いるとされている。ただし、MCR工法の場合は、B ― C品を用いるとされている。
なお、合板の厚さは特記によるとしているが、特記がなければ厚さ12mmのものを使用するとされている。
つまり
型枠の仕上げの程度にはA~C種の3種類あり、
- A種…打放し仕上の様にコンクリート表面がそのまま仕上として表れてくる場合
- B種…吹付下地やクロス下地など補修した上に直接仕上を行う場合
- C種…上記以外
というイメージで大抵対応できると考えています。
また
型枠材の程度については、打放し仕上の場合であれば新品を
使用する必要があるので、単価も含めて想定されていますが、
その他の場合については「ボロボロ」になるまで型枠大工さんが
使用する事も多々あります。
実際には、「作り替える時間的余裕がない場合」や「金銭的に
作り替える余裕がない場合」など様々なケースが考えられますが
品質上で大きなトラブルとなる恐れがある場合は、無理しても
作り替える方が最終的に被害が少ないかも知れませんからね。
だから
型枠工事は躯体工事の中でも大きな影響を与える事が多いので
意識的に管理していくと効果的なので、こちらも合わせて
確認しておいて下さいね。
↓ ↓ ↓









































この記事へのコメントはありません。