「突貫工事だから支保工1日でも早く取りたいから、
1度解体しておいてパイプサポートを付き直せば、
引き続き梁やスラブの荷重受けてます。じゃダメかな~?」
はい
「ダメです!」
そもそも
型枠支保工は打設中からコンクリートの自重を負担していますので、
1度でも緩めてしまうと、その瞬間に荷重が解放されてしまうので、
いくら後から付き直しても全く意味をなし得ません。
だから
型枠支保工は「盛り替え禁止!」なのです。
でも
突貫工事だから1日でも早く仕上げたい!
という気持ちは分かりますので、今回はその辺りを掘り下げてみましょう。
まず
梁やスラブの強度の発現する期間は普通ポルトランドセメントを
使用していれば、どんな工法を使用していても同じです。
だから
型枠支保工を「全て」早期に取り除く事は出来ませんが、
数日間先行して設備工事や仕上げ工事が入るくらいの程度で
一部のパイプサポートだけ残して、廻りのパイプサポートやコンパネを
取り除くことは可能です。
例えば
パーマネント工法と呼ばれる工法を使用すると、
全体のパイプサポートの約1/3を残して早期に解体する事が出来ます。
更に
などの工法であれば、更にパイプサポートの数量を減らして、
コンクリート打設の3~4日後には、ほぼ型枠支保工が無い、
という状態にする事も出来ます。
ただし
検討費用などが別途掛かるので、全体的な費用対効果を踏まえて、
現場内で検討した後に、工事監理者さんなどの承諾を得て下さいね。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.447
(4) 「標仕」では、スラブ下及び梁下のせき板は、支柱を取り外した後に取り外すことにしているが、施工方法によっては、支柱を取り外すことなくせき板を取り外せる場合がある。その場合は、昭和46年 建設省告示 第110号の第1 第一号で定めるスラブ下及び梁下のせき板の存置期間の規定を準用し平均気温による存置日数又はコンクリートの設計基準強度の 50% 以上の強度を確認することにより、支柱を取り外す前にせき板を外す方法もある。ただし、この方法は「標仕」6.8.4 (4)に示す 「これにより難い場合」に相当するため、監督職員は、工種別施工計画書 (品質計画)に記載された内容を確認して承諾する必要がある。
また、支柱の盛替え作業は、無造作に行われやすく、また、若材齢のコンクリートに荷重が作用することは望ましくないので、「標仕」では支柱の盛替えは行わないこととしている。
つまり
型枠支保工は原則盛替え禁止です!一度でも応力を開放すると
元に戻らないので現場においても品質管理上、絶対にさせては
いけないと私は考えています。
しかし
同時に、パーマネント工法などと呼ばれる一部の型枠支保工のみを
構造計算に基づき残置しておいて、残りの型枠支保工とせき板を
解体する工法もあるのです。
すると
現場に搬入される型枠資材も削減出来て、型枠大工さんも
スラブ材を通常の支保工の組立の2つ上のフロアに転用ではなく、
1つ上のフロアで転用が済むので労力としては非常に軽減されますし、
現場もスッキリしますのでWin-Winとなるのではと感じています。
もちろん
現場によって向き・不向きがあるのでメリット・デメリットを
考える必要はありますが、このような事の積み重ねが現場での
利益を生むことにつながっていきますからね。
あっ、
材料を削減といえば、あなたが最初に出来る原価管理は
こちらの記事が参考になりますよ。
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