前回は、鉄骨工事の施工計画書の全9項目のうち
1~3項目までをお伝えしました。
最初から読みたいあなたはこちらからどうぞ。
今回は続きからお伝えします。
4 仮設計画
今回の仮設計画と次節の建方計画については後日お伝えする
「工事現場施工」というカテゴリーで改めてお伝えします。
という事で
今回は施工計画書という大枠の中で基本的な事を記載しておきます。
基本的過ぎて「そんなん知っているよ!」とあなたからの声が聞こえて
きそうではありますが、「意外と抜けている事が多い」ので気を悪くせずに
読んでくれると嬉しいです。
というのも
私が今回お伝えしたいのは、鉄骨工事と言わずに仮設計画で
非常に重要だと私が考えている事は
「施工する場所まで、出来るだけ安全に材料と人がたどり着ける事」
例えば
鉄骨工事の場合では、所定の場所まで鉄骨材が作業半径も吊り荷重も
揚重機のブームが障害物に干渉すること無く到達させる事が出来て、
作業員さんも少なくとも親綱などに安全帯が掛けるとこが出来る状態で
鉄骨材料を受け取って取り付ける事が出来るという状態です。
「えっ?当たり前だよね?」
とやっぱりあなたは感じたかも知れませんね。
と言うことは
- 鉄骨材料を揚重する時に1番不利となる材料がどれか分かっている
- 1番不利な材料を揚重するための作業半径、作業高さ、ブームの角度を検討して揚重機を決めている
- 工区の中で1番遠い距離の材料も同様に設置出来る揚重機を検討している
- 各取り付け場所まで鉄骨鳶さんが行けるような昇降設備、親綱もしくは高所作業車で動線計画が検討されている
という内容が全て網羅されているという事でよろしいですね。
と言われると「ドキッ」としているかも知れませんが、その気持ちは大切ですよ。
5 建方計画
建方計画では「鉄骨をどの様な順番で組立て行くのか?」を計画します。
建方計画も先程の仮設計画と同様に計画をして行く必要があります。
つまり
「どの様に鉄骨を建てると効率的でコストメリットがあるか?」
「小間切れで金を掛けずに手間を掛けて計画するか?
大きな揚重機で金を掛けて手間を掛けないか?」
を考えていくことです。
例えば
- 1ヶ所もしくは建物の片側のヤードに揚重機を設置するだけで建方が可能なのか?
- 上記の場合は大きな揚重機で計画した方が良いのか?こまめに小さな揚重機で計画した方が良いのか?
- 建物の奥側から順番に建てながら手前方向に逃げてくる必要があるか?
- 柱の節ごとに完成させて、上階へと積み重なるように組立るのか?
- 狭小な現場、もしくは広大な現場で鉄骨の一部を後施工にしないと建てる事が出来ない場合はどの部材、エリアを後施工にすると効果的か?
というあなたの考えが文章や別添の図面に表現されていれば良いですからね。
6 接合計画
接合計画は鉄骨と鉄骨をどの様に接合するか?という内容を記載しますがボルト接合の場合のみであれば、
特に当たり前の保管方法から施工手順、検査方法などが記載されていれば
あまり問題になることは無いと考えています。
ここで
溶接接合やボルトと溶接の混合接合があれば追記が必要です。
ちなみに
ボルトと溶接の混合接合の場合はボルト接合を行った後に溶接接合という
順番なので頭の片隅には入れておいて下さいね。
今回はこのあたりでおしまいです。
また次回。
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