コンクリートというのは型枠の中に生コンクリートを
打設したら最後、やり直しがきかない工種ですよね。
特に
断面寸法が少し足らないから「ちょっと幅増やそう」
という事を後から出来ないのが特徴的です。
だから
コンクリートの断面寸法と言うのは様々な要求水準を
満たすように考えて失敗しないように計画する事が
非常に大切なので3つのポイントについてお伝えします。
まず
「構造体としての耐力及び耐久性の確保」です。
こちらは構造体として必要な断面寸法を守ることで、
構造計算上の断面寸法を確保する事で耐力が確保され、
断面寸法を守ることでかぶり厚さが確保されるので
耐久性もあがるという事です。
今回お伝えするポイントの中で、1番重要なポイント
でもあり、守られていない場合のダメージも1番大きいので
打設前の確認も含めて管理すべき項目ですね。
次に
「仕上げ二次部材又は設備等の納まり上の要求」です。
鉄筋コンクリート造の建物と言うのは、完成形としてへ
コンクリートに塗ったり、物を付けたりして飾り付けする
工程が必ずあります。
すると
建物の完成形から仕上を引き算したものが「躯体」
という考え方となるので、間違えると仕上物が取り付かない。
という悲劇が生まれて、あっちこっち斫ったりする事で
余計な出費がかさんで来ますから注意しましょうね。
最後に
「美観上の要求」です。
こちらはある意味、この章で取り上げる品質という意味には
当てはまらないかも知れませんが、コンクリートの位置が
ずれていたり、型枠がずれてしまって断面が均一でなかったり
パッと見て「美しくないな~」と感じる様な状況の事です。
でも
美観的に管理されていない建物と言うのは、中身の
大切な所も管理されていないのでは?と思われるので
中身も大切ですが、外見も大切ですよ。
最後に
「建築工事監理指針(令和元年版上巻) [ 国土交通省大臣官房官庁営繕部 ]」
の該当部分を確認して下さい。
P.362
(1) コンクリート部材の位置及び断面寸法の許容差
(ア) コンクリート部材の位置及び断面寸法は、所定の許容差の範囲内になければな
らないが、これは次の理由による。(a) 構造体としての耐力及び耐久性の確保
(b) 仕上げ二次部材又は設備等の納まり上の要求
(c) 美観上の要求
つまり
コンクリートの断面寸法の精度を求める3つの要求とは?
- 構造体としての耐力及び耐久性の確保
- 仕上げ二次部材又は設備等の納まり上の要求
- 美観上の要求
そして
コンクリートの打設後に1からやり直すことは出来ません。
だから、これらの3つの要求について「イメージ」しながら
「躯体」というものを造っていく必要があるのです。
だから
私達は「出来上がったものを見て判断」するのではなく、
「出来上がりを想像」しながら仕事をこなしていくのが、
プロの現場監督として望ましい姿であると私は考えています。
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