「基礎底と梁底が一緒なら掘削も楽だし、水替えも楽なのにな~」
とあなたは感じたことありませんか?
杭基礎の場合は大抵地中梁から300~500mm下がった所に
基礎底が設定されている事が多いです。
更に、杭の基礎へののみ込み寸法が100mmよりも多い場合は、
地中梁底と基礎底の段差が更に大きくなってしまい、
安全パトロールなどで
「この段差には昇降設備ないの?」
と無理難題を言われる原因になって腹立たしい思いを
したことがある人もいるかも知れません。
そこで
今回は、地中梁と基礎の「高さ方向のレベル差」について
お伝えしていきます。
まず
今回は最初に結論から言いますと
「地中梁と基礎のレベル差があるのは鉄筋の干渉を防ぐため」
具体的には
基礎には底面から70mmのかぶり厚さ分上がった所に
ベース筋がX、Y方向に配筋されます。
対して、地中梁も底面から50mmのかぶり厚さ分上がった所に
スタラップ(あばら筋)があり、直上に梁の主筋が配置されます。
すると
細かく計算するまでもなくお互いが干渉します。
だから
基礎底のレベルと地中梁のレベルをずらすのです。
では
具体的にどのくらいレベル差をつければ良いのか?
については、下記の計算式があるので参考にして下さい。
(下がり寸法) =(基礎かぶり厚さ) +2×( 基礎鉄筋の最外径) 十(柱主筋の最外径)-(基礎梁かぶり厚さ) 十(施工誤差)
また、上記に杭の基礎へののみ込み寸法を加えると、
200~250mm程度になるので安全側をとって
300mm程度レベル差を設けているのでしょう。
最後に
「鉄筋コンクリート造配筋指針・同解説第5版 [ 日本建築学会 ]」の該当部分を確認して下さい。
基礎筋と基礎梁筋とを交差させないために,基礎底面は基礎梁底面より下げる必要がある. 下
がり寸法は下式で求め,基礎筋の位置を定める.(下がり寸法) =(基礎かぶり厚さ) +2×( 基礎鉄筋の最外径) 十(柱主筋の最外径)-(基礎梁かぶり厚さ) 十(施工誤差)
通常,施工誤差は20 ~30mm とする.中径以下の鉄筋を使用する基礎の下がり寸法は,100 ~150 mm とするのがよい.つぼ掘りによって地表面を荒す危険性のあるときなど,施工現場の状態によって基礎底面を下げることができない場合, この下がり寸法の分だけ基礎梁の下端筋を上にあげる必要がある.
つまり
独立基礎の基礎と地中梁は何故レベルが違うのか?
についての答えは
「基礎筋と基礎梁筋とを交差させないため」です。
更に
(下がり寸法) =(基礎かぶり厚さ) +2×( 基礎鉄筋の最外径) 十(柱主筋の最外径)-(基礎梁かぶり厚さ) 十(施工誤差)
という基本的なレベル差に対する計算式もあったのです。
確かに
答えを聞くと「なるほど」と感じることも普段の現場のなかでは
見過ごしがちな事も多いですが、忙しすぎる毎日では
「そんな暇ないよ!」
という言葉があなたから聞こえて来そうです。
その様な場合は、一度こちらの記事も読んでみて下さいね。
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