径の異なる重ね継手は「大は小を兼ねる」で良いのか?

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「大は小を兼ねる」

あなたはこの言葉を困った時に使ったりしていませんか?
実は、私も詳しい数値や判断を忘れてしまった時に、
とりあえず「安全側なジャッジ」をするために使います。

 

だから

径の異なる重ね継手は「太い径」と「細い径」のどっちを基準にするの?

と聞かれた時には、とりあえず安全側である「太い径」と答えがち。

 

だけど

正解は「細い径」の方を基準にすれば良いです。

 

そして

良く考えると「太い径」の方を基準に重ね継手をとると
実際の場面で気を付けなければいけない場面が増えるかも知れません。

 

例えば

壁筋を例にとりますと、上の階に伸びる差し筋の長さは、
通常は同じ径の鉄筋が来たときに「所定の定着長さ」が
とれるだけコンクリート床面から出しておく。というのが基本です。

 

具体的には

下階からの鉄筋がD10で定着長さを400mmとっている場合に、
上階の鉄筋径がD13だった「太い径」の方を定着長さとすれば
必要定着長さは520mmで下階からの定着長さでは全てNGです。

 

逆に

「細い方の径」が基準であれば全く問題ないのです。

 

更に

下階より上階の方の鉄筋径が細いような場合であれば、
万が一、下階からの差し筋の長さが不足していたとしても
上階の細い径に必要な定着長さ分の寸法が確保されていれば
配筋検査時でも問題はありません。

 

具体的には

下階がD13で定着長さ520mm、上階がD10で定着長さが400mmであれば、
何と「120mm」も「逃げ代」が出来るのです。

この事実を知っていて配筋検査に臨むのと、知らないのでは
場合によっては「無駄な対応」が生じる危険性もあるからです。

 

別に

私はあなたに言い訳を伝える為にこの記事を書いたわけではありませんが、
知識があることで「無用な争い」を避けることも出来ることがある。
ということは伝えたかったのです。

 

つまり

径の異なる重ね継手については「細い方の径」に対しての
所定の継手長さを確保すれば良いのです。

 

たしかに

「大は小をかねる」の考えにより、径の「太い方の径」を基準に
重ね継手の長さを確保しても間違いではありません。

 

ただ

あらかじめ「分かった上で余裕を見るのか?」それとも、
「結果的に余裕があったのか?」は結果は同じでも雲泥の差ですよね。

 

あっ!そうそう。

小さな差が最終的に「雲泥の差」になると言えばこれ。
こちらの記事も合わせて読んでみて下さいね。

↓  ↓  ↓

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